双極性障害ⅱ型の知識を身につけよう|心の病気改善ガイダンス

女の人

躁状態の症状が軽いケース

女医

うつ病との見極めが困難

双極性障害ⅱ型は双極性障害によって発症する躁状態とうつ状態の内、躁状態が暴言を吐いたり社会的信用を失いかねないような行動を取るといった、周囲の人が異常に気付くレベルである双極性障害ⅰ型ほどの重さではなく、軽躁状態と呼ばれる仕事や家庭の人間関係に支障を来すほどの重さではない場合の双極性障害のことを指します。うつ状態の重さに関しては双極性障害ⅱ型も双極性障害ⅰ型と特に違いはありません。このような特徴を持つ双極性障害ⅱ型は、もともと患者本人が疾患を発症していることに気づけない躁状態が周囲も気づけないほど軽い軽躁状態であるために、躁状態を発症していることに患者本人は勿論、医師も含めた周囲の誰も気づくことができず、結果として双極性障害を発症しているにもかかわらず、うつ病を発症していると見誤ってしまうことが少なくないのです。現時点でも軽躁状態を発症しているかどうかを確認する基準はありますが、まだまだ一般に広くは浸透していないというのが実態です。従って双極性障害ⅱ型の早期発見と患者が適切な治療を受けられやすい環境を構築していくために、今後に向けて、まずは双極性障害ⅱ型と軽躁状態についての認識が拡大していくことが期待されています。

抗うつ剤の服用はリスク

双極性障害ⅱ型の患者の軽躁状態を発見できず、誤ってうつ病と診断されることになぜ注意が必要なのかと言えば、双極性障害とうつ病とでは治療法が異なり、特に、うつ病治療の際の薬物療法の柱となる抗うつ剤は、双極性障害の治療に際しては場合によっては症状を悪化してしまうリスクがあるからです。双極性障害の治療に際して薬物療法の柱となるのは気分安定薬です。そしてうつ状態が重症の場合は対症療法として抗うつ剤を服用するケースがありますが、そうでない場合は抗うつ剤は服用しないのです。というのも、うつ状態が重い場合でなければ双極性障害の患者が抗うつ剤を服用すると躁状態になってしまうケースや、より症状が重く治療が困難な急速交代型を発症してしまうケースもあるからです。また双極性障害ⅱ型は躁状態の時の症状が双極性障害ⅰ型の躁状態よりも軽く、周囲に悪影響を及ぼすケースも少ない軽躁状態であるために、双極性障害ⅰ型よりも軽い疾患であるように認識されがちですが、摂食障害や不安障害、アルコール依存症などを合併しやすいという特徴を持っていますので双極性障害ⅰ型よりも軽い疾患などではなく、同様に深刻なリスクを抱えている精神疾患であると認識することも重要です。